Rien Moerland "Full of KLM love "

2018年10月13日から5ヶ月間にわたりオランダ・デザイン美術館(Den Bosch市)で開催されたインテリア展で1枚の写真が注目を浴びることになる。「KLMアイテムでリビングがいっぱい!」というテーマで自宅の佇まいが紹介された。

折しもKLM創業100周年記念(2019年10月)の年にかかるタイミングでもあり、オランダの新聞、そして雑誌でも取り上げられ、瞬く間に「時の人」となったリン ムーランド氏。 地元スポッター仲間からは“最強のKLM応援団長”と呼ばれている有名人でもある。 なぜ?そんなに有名にならしめたのか? その謎を解き明かすために自宅へ伺った。


KLMへの溢れる情熱

今年(2021年)で70歳を迎えるリン氏が航空機に興味を持ち始めたのは1972年からであった。 現在は退職し悠々自適な生活を楽しんでいるが、リン氏が20歳の時に就職した先はKLMやフォッカー社の格納庫にて航空機の整備・作業をするための「足場」制作する会社であり、日々航空機と接することになる。 当時、KLMの主力機はDC-8-63型、DC-10-30型、そしてB747-200型がデビューし主力機として活躍していた時代であった。特に3発エンジンのDC-10の機体の美しさに「恋をして」しまったそうだ。それ以降、仕事の休息時間を利用してお目当てのKLM機材を撮影をするようになり、趣味の一環としてKLMで退役した航空機の部品をオークションで購入したりする生活が始まったのである。また、KLM機材の引退が決定しその最終便フライトには全て「乗客」としてフライトしており、KLM以外の航空会社は原則として搭乗することはないという徹底ぶりには驚かされた。 2020年2月後半から欧州全域で蔓延した新型コロナ感染拡大の中、コマーシャルフライトとしてのB747-406Mの引退日が差し迫った3月の時点では、新型コロナ感染経路にはまだまだ「未知の脅威」が多かったこと、そして年齢的なことも考え、最終フライトは断念したことが今でも悔やまれるそうだ。しかしこの50年もの間でKLM機材だけで訪問した都市は112都市におよび、人並外れた記録を樹立したことには違いない。


KLM Blueのリビング

自宅のリビングはKLM Blue(ブルー)で一色であった。「多額の費用」を費やしたとしか言えない。 「幾らつぎ込んだかは私自身も分からない」という彼の説明とどこから入手したかを言えないアイテムも存在するところも誠にミステリアスで、いっそう興味を掻き立てられる。「奥さんの理解があって...良いですね」。「誰のこと? 私?結婚できると思いますか?.........」。 「生涯の恋人はKLM」と少し恥ずかしそうに笑みを浮かべなら説明してくれたリエンさんのコレクターとしての収集方法は次のとおりである。 通常はオランダ内で開催されるスポッターフェア、フリーマーケット等でお気に入りの機内アイテムを購入し、時にはKLMからギフトとして受け取るアイテムもあるそうだ。また、長年の信頼関係の中で、座席や窓枠などは機体を解体する業者から購入できることもあるそうだ。特にキャビン内に配置されているクラス別の座席はお気に入りのアイテムの一つだそうだ。ここ2-3年内にはコックピットの座席も入手したいと語ってくれた。

リン氏はKLMグッズ収集家として、「高額な値札にも一切気にしない。悩まない。」というモットーを強く持っており「私がKLMのアイテムを所有することは自分の人生を楽しませることであり、私の人生そのもの」と言われた時には、収集家としての貫禄を感じたほどであった。 既にエアバスA330の退役が始まっている。 リン氏は最終フライトを「乗客」として搭乗する希望も持っているが、 現状では貨物のフライトでしか運航はされていないので、一日も早く新型コロナの感染が収まり、希望を叶えていただきたいと心から願っている。 リンさんの生涯目標は「KLM博物館」の設立であり、日々意欲的にその準備に取り組んでいる。

今しばらくリン ムーランド氏から目が離せそうもない。


◽️掲載誌:月刊エアライン 2021年4月号 / イカロス出版



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