Rein Valk, KLM Royal Dutch Airlines The Netherlands

昨年(2019年)10月にKLMは会社創立100周年を迎えた。オランダ内のメディアは会社設立以来、社名が変わらない最古の航空会社の偉業を称え、その栄光の足跡を2週間にわたり放映された。

同じ頃、KLMを退職した家族宛に送られる季刊誌(「CABIN」)にも100周年を記念した特集号が届いた。その表紙を飾ったイラストが話題となり、瞬く間にソーシャルメディアを介して拡散された。いったい誰のイラストなのか? KLMの関係部署と連絡を取り調査した結果、客室乗務員から提供されたことが判明。 交渉を重ね面会しインタビューする機会をもらった。そこには意外な新発見があった。


医療畑から客室乗務員へ

客室乗務員へは昔から憧れはあったのですか?

 学生時代から旅行することは好きでした。しかし私の前職は病院の放射線治療部で仕事をしていた時期があり、小さいころから客室乗務員に憧れてなったわけではありません。ある時、休暇でKLMを利用して友人と旅行に出かけましたが、その時に親切に対応してくれたキャビンクルーが旅好きな私を理解し、この仕事に応募するよう説得されたのがきっかけとなりました。いつでもいろいろな国に出かけられるのも魅力的でもあり、言われた通りに応募し、何回か面接があり、結果、KLMも雇ってくれたので1989年からこの仕事に従事し、今年で31年になります。


人と世界を繋ぐ仕事に従事して

現在はでは長距離フライトでの責任者ですが30年の間にいろいろな経験をされていると思いますので、エピソードなど聞かせていただけますか。

客室乗務員としての初フライトは英国のマンチェスターの日帰り乗務でした。確か機材はB737でした。KLMが保有する全ての機種に乗務したといいたいところですが実はFokker-50、-70、-100には乗務しておりません。オランダ人で国産航空機の乗務経験がないので、あまり自慢できるものではありませんが、ボーイング、エアバス製の航空機の乗務経験は豊富です。クルーになって3年が過ぎようとした時、祖父を連れて旅行の提案をしましたが、80歳になる祖父は大型の航空機が空を飛ぶことが信じられなく、結果、整備クルーにも協力してもらい、格納庫で整備中のB747(PH-BFF)のファーストクラスに案内し、飲み物と軽食を楽しんでもらいました。私と祖父にとっても貴重な時間を共有できたと思いますし、人との心のつながりを体験できた素晴らしい時間でした。その2年後、祖父は天国へ旅立ちましたが、PH-BFFのジャンボに乗務するたびにその日のことを思い出させてくれます。乗客の皆様にも場面は異なりますが、初めて乗った航空機への愛着や客室乗務員との出会いなど、思い出がたくさんあると思います。私は一瞬一瞬の出会いを大切にできればと常に思っております。


客室乗務員の日常を紹介

どうしてイラストを描こうと思ったのですか?

小さいころから手先が器用で、絵を描くことは嫌いではなかったです。フライト中には思わぬ出来事も発生しそれを記録としてスケッチするようになったのが始まりです。スケッチはペンと紙だけあれば直ぐに描くことができるので、ちょっとした休息時間にでも可能です。 特に夜間飛行などあるフライトでは、お客が寝静まった後、一日を振り返りスケッチを楽しんだりしてます。

また、私はKLMの歴史にも興味を持っております。私が入社した時は創設70周年の時であり、それから75年、80年、90年、95年そして昨年100年の記念を現役で迎えることができました。会社(KLMのお祝いの年には往年のDC-2やコンステレーションなどの美しい航空機をモチーフにしたイラストを描いており、機会を見つけては同僚に見せて、評価をもらっておりました。 KLM100周年も私にとって乗務30周年の記念にあたり、思い出の多いB747を中心に古のKLM機材を描いた次第です。 この100周年ポスターは、KLM公認のポスターではありませんが、一緒に乗務した客室乗務員の中でも話題になり、KLM退職者用の季刊誌の表紙に採用されることになったのです。


客室乗務員として後輩の育成にも精力的に活動し、同時に同僚の客室乗務員からのアイディアやまた協力によって乗務中の様々なエピソードを描いていくレイン氏。この4月にはオランダの航空誌Luchtvaart Nieuws(航空ニュース)4月号でも取り上げられ、この9月にはスキポール空港のKLMラウンジにレイン氏のイラストが掲示されることが決定している。現役客室乗務員+イラストレーターとしてレイン氏の今後の活躍にも注目していきたい。


◽️掲載誌:月刊エアライン 2020年11月号 / イカロス出版




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