National Air Force Museum of Canada,Trenton Ontario Canada

カナダ最大の都市でもあり、オンタリオ州の州都であるトロント。ナイアガラの滝へのアクセスも良く、毎年多くの人が訪れるお勧め人気観光都市である。 日本からトロントへはエアカナダ(AC)がバンクーバー経由で現在は15時間で繋いでおり、世界クラスの博物館や美術館、劇場など文化面でも国際的に重要な役割を担っている都市でもある。 そのトロントから車で2時間、トレントン空軍基地に併設されたカナダ空軍航空博物館を訪ねる機会があった。 

オンタリオ州の南に位置するトレントン(Trenton)空軍基地はカナダおよび海外への航空輸送業務の中枢である第8航空団(8 Wing)のベース基地となっており、CC-177(C-17A)グローブマスターlll, C-130輸送機を運用し展開している基地である。今回紹介する博物館は、カナダ空軍の歴史を保存するため、空軍創設60周年に当たる1984年4月1日にオープンした。 今月号では、北米大陸でここでしか実機を見ることができない、英国製ハンドレページ・ハリファックス (Handley Page Halifax)爆撃機やカナダ製戦闘機CF-100(カナック)など希少価値のある航空機を紹介したい。


軍用機マニアは必見

この航空博物館は「RCAF(Royal Canadian Air Force)メモリアルミュージアム」と呼ばれていた時期があった。 入場口には、創成期に当たる1908年にカナダ/アメリカで制作されたレシプロエンジンを搭載したシルバー・ダート(Silver Dart), アブロ・アンソン(Avro ANSON), ノースアメリカン・ハーバード(North American Harvard )などが展示され、その中央には第二次世界大戦中に欧州戦線で活躍した大型爆撃機ハリファックスが完全な姿で展示されている。この屋内展示館は2階建てとなっており、カナダ空軍の発展と開発に寄与したいわゆる「殿堂入り」した航空機が展示されている。また、同じエリアには修復作業場も併設され、遠目ではあるが現在修復をしている航空機の作業風景の一端を垣間見ることが可能である。 さて、16エーカー(4047㎡)屋外展示では、冷戦時代から現代までの歴史を振り返る展示機を見学することができる。 Canadair(カナディア)Sabre, CF-105(Star Fighter)やCF-101(Voodoo)など各種ジェット戦闘機や連絡機、輸送機、ヘリコプターなどが年代順に常時30機が展示され、野外の展示だけでも撮影しながら一巡するには2時間弱の時間を目安としてみておかれると良い。


稀有な航空機が展示

先ずは屋内展示で紹介したハンドレページ・ハリファックス(Handley Page Halifax)から見ていきたい。 第二次世界大戦中における英国製の爆撃機といえば、アブロ社で設計されたランカスター(Lancaster)爆撃機の方が日本でもその知名度は大きい。ハリファックスはランカスター爆撃機が初飛行をする2年前の1939年9月24日に初飛行をした中型重爆撃機であった。ランカスターに比べると爆弾搭載量は小さかったが、夜間爆撃専門に従事したランカスターに比べると、グライダーの曳航、兵員輸送など多目的な適応性に優れていた。戦中、戦後を通じて6,176機が生産され、その取扱いの良さからパキスタン空軍では1961年まで使用さ、また一部民間向け(ハンドレイページ ・ハルトンとして登録)に改造され、当時のイギリス領インド、南アフリカ共和国やスイス、ノルウェーなどの民間航空会社でも採用された航空機であった。

次に野外展示機について紹介したい。その代表格はCF-100 Canuch(カナック)である。 アブロ・カナダ社で設計され、1950年1月19日に初飛行に成功し量産されたカナダ製唯一の全天候ジェット戦闘機であり、冷戦時代の防空任務に従事した機体であった。特にアメリカ北方空域を脅かすソビエト(現;ロシア)製核装備された爆撃機の侵入から自国を守るために配備された。この戦闘機は当時としては最新のアビオニクスを搭載し、濃霧など悪天候下でも活動できる戦闘機として注目され、1956年から1962年までの6年間、欧州にも配備 駐留した経緯がある。最終生産機数は692機であり、そのうち53機が唯一ベルギー空軍に引き渡された。

順路に従って足をすすめるとカナダ以外で見ることが難しい、海上偵察・攻撃用に使用されたCanadair CP-107 Argus(アーガス)が展示されている。 もともとは英国のブリストル社が製造したブリタニアを胴体から再設計し、爆倉を追加することで非油圧キャビンに変更、またエンジンは当初のブリストル プロテウス(Bristol Proteus)ターボプロップエンジンから米国製ライトR-3350ピストンエンジンに変更されて運用され、33機の生産で終了した世界でも希少な機体である。

最後にこの博物館でしか見学できない航空機を紹介しておきたい。それは歴史的に重要なBoeing 720 flying Test Bed機でプラット&ホイットニーカナダ(PWC)とカナダ航空宇宙博物館が共同で修繕・修復しこの地で保存されていることだ。

この機体は2012年5月9日まで、実に51年間テスト機として飛行をしていたことである。 もともとは、ボーイング(Boeing)720-023Bとして1961年1月14日にN7538Aのレジでアメリカン航空に登録された機体であった。その後、1971年9月25日に中東のレバノン航空(MEA)がOD-AFQとして登録。1985年12月にプラット&ホイットニーカナダ(PWC)がC-FETBとして再登録をした以降、テストベッド機体として様々なエンジンテストに携わった機体であった。訪問した時は、塗装の一部が剥がれるなど保存状態は決して良くはなかったが、2020年5月以降(詳細は未定)で外装塗装の修繕がされる予定だそうだ。

数多くの機体が展示されている中で、限定した機体のみをピックアップし、見どころの解説をさせていただいたが、紹介した4機種の航空機を見るだけでもこの航空博物館を訪問することを読者の方にもお薦めしたい。



訪問のための一般情報

National Air force Museum of Canada

住所 :220 RCA Road, Trenton Astra, Ontario

連絡先 :613-965-3588

開館時間 :5月1日-9月30日まで毎日10:00−17:00

      10月1日-4月30日まで水曜から日曜 10:00−17:00

Web sight : http://www.airforcemuseum.ca/

交通 :レンタカーを利用/トロント市内から2時間/片道170km

入場料 :無料(2020年3月現在)


◽️掲載誌:月刊航空情報 2020年7月 / せきれい社



General information for visits

National Air force Museum of Canada

Address: 220 RCA Road, Trenton Astra, Ontario

Contact: 613-965-3588

Opening Hours: May 1st-September 30th, 10: 00-17: 00 every day

October 1st-April 30th Wednesday to Sunday 10: 00-17: 00

Web sight: http://www.airforcemuseum.ca/


Transportation: Rent-a-car / 2 hours from Toronto city / 170km one way

Admission: Free (as of March 2020)


◽️ Published Magazine: Monthly Aireview July 2020 / Sequireysha Ltd.

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