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Malta Aviation Museum, Malta Islands

「マルタ共和国」という国をご存知であろうか。 世界地図でいうとイタリアの下にあり、地中海の中心に位置し、総面積は名古屋市とほぼ同じとても小さな島である。世界遺産、リゾート地として多くの魅力が詰まっているこの小さな島にも1994年創設以来既に20年以上の歴史を持った航空博物館がある。


大戦機を中心にコレクション

“Flying Through History”

第二次世界大戦中、英国空軍が使用していた旧タ・アーリ(Ta Qali)飛行場跡にある 「マルタ航空博物館」 (Malta Aviation Museum) では1940年から1943年までの大戦機、戦後50年から60年代の航空機を中心に修復・復元を施し展示されている。 館内の展示で注目すべきはマルタ島の航空史の中でその時代を創ってきた航空機、エンジン、飛行場機器や車両そして大戦中に着用された英空軍の制服(Royal Air Force)などが陳列されていることである。もう一つの特徴はマルタスケールモデラー協会(SSM)によってプラスチックモデルの展示が充実していることであり、プラモデル好きの方はもとより訪問してほしい航空博物館である。


テーマで異なるみどころ満載のハンガー

英国空軍基地跡の兵舎の有効利用を目的として建設された博物館のゲートを入った建物の中に受付があり、ここで入場料を支払えば、好きな時間だけ博物館の中で過ごすことができる。

マルタ航空博物館は大きく3つのハンガーに分かれ、それぞれのハンガーではテーマに沿って展示されている。順路としては、受付とレストア工房を併設したRomney Exhibition Hunger。 次に大戦後の戦闘機を展示したMalta Main Exhibition Hunger。最後に2005年に完成し、第二次世界大戦で活躍した戦闘機を展示したAir Battle of Malta Memorial Hangerとなっている。


Romney Exhibition Hunger

受付を終えるとピカピカのHawker Seahawk Mk6とde Havilland Vampireが目に飛び込んでくる。 Hawker Seahawkは50年代にマルタに駐留した 「804海軍航空隊」 の塗装で綺麗に修復されている。 ハンガー内に収納されているほとんどの機体はまだレストア最中又は入手時のまま保管中の状態であり、次回訪問する楽しみであるが、全体的には限られた展示スペースしかなく復元状態で全てが展示できない悩みも一方でありそうである。

また、展示ハンガーの一角には、大戦中にマルタに駐留した英連邦軍の62個の航空隊のクレスト (エンブレム) が飾られており、これを見ても如何にマルタを巡る航空戦が熾烈であったかが容易に想像できる。


Malta Exhibition Main Hunger

ハンガー内の展示場を一廻りして中央の広場に出ると、DC-3(C-47)が置かれている。 7年前にオークションにかけられたものを入手したものだそうで、館長の話では手を入れればタキシングが可能な機体であり数年前まで飛行可能な機体であったそうだ。 もう一つのみどころは第二次大戦時、マルタ島各所にあった英軍の航空基地のジオラマや現在のエアマルタに至るまでの、マルタの民間航空関連したアイテムも展示されている。


The Air Battle of Malta Memorial Hanger

「マルタ航空戦記念格納庫」と名付けらこのハンガーでは、本博物館の目玉とも言うべきSupermarine Spitfire Mk IX が修復され展示されている。 このSpitfireは1993年に6年の歳月をかけて修復が終了した機体であり、Malta Aviation Societyのボランティアの手によって完成されたものである。

そしてもう一つは、「ハリケーン」 (Hawker Hurricane Mk IIA)。この機体はマルタ島の観光名所、ブルーケイブ(青の洞窟)があるWied iz-Zurrieq(ウイドウ・ズ・ザーリエ)地域の海底から1995年に引き上げられ、修復され展示されている。

両機とも実際に第二次大戦中当時のマルタの空を飛んだことのある機体であり、地中海の孤島であるマルタ島が北アフリカ大陸に進駐していたドイツ軍との制空権争奪の中で防衛ラインとしていかに重要であったかが想像できる。

 尚、このハンガーは新しく建設されたたものであり、まだまだ展示スペースもあり、これから逐次修復された機体が追加展示される予定である。 現在は航空機以外の色々なものが雑然と置かれており、次回訪問ときに復元・修復された機体が増えていることが楽しみである。


Malta Aviation Museum


マルタ航空博物館は国の援助でなく、ほぼ個人が所有・管理している博物館であり、見学も早足で見れば2時間もあれば一通り写真を撮りながら廻ることが可能である。館内には軽食を取る場所も併設され、半日以上はゆっくり時間をとって楽しんでいただきたい航空博物館である。


住所 :Ta'Qali ATD 4000, Malta

電話 :(+356)2141-6095

開館時間 :9:00 - 17:00

休館日 :聖金曜日、イースター、8月15日、クリスマス、元日

入館料 :大人7ユーロ (約870円/2015年12月現在)、子供2ユーロ(3歳-12歳)

撮影条件 :館内は自然光を取り入れた展示設計になっており、基本的にはストロボの必要性はないが、Main Hungerの一部では暗意部分もある。

交通機関 :市営バスの運行はあるが、本数が少なくレンタカーを借りての移動が望ましい。(バレッタ市内から車で30分)

Bus ルート(参考): 市バス/ Valletta からMater Dei 122番バス、Mater DeiからTa Qaliまでは106番のバス(乗り換えが必要)

市内観光バス(乗り降自由)ではNorth Routeに乗車すれば目的地到着。


受付横には航空博物館のお楽しみであるギフトショップが併設されており、ピンバッチ、帽子、オリジナルマグカップなど英空軍風の土産ものも揃っている。

◽️掲載誌:航空情報 2016年4月号 / セキレイ社

Malta Aviation Museum


The Malta Aviation Museum is not a national aid, but is owned and managed by an individual, and if you take a quick tour, you can go around while taking pictures in as little as two hours. There is also a place to eat light meals in the museum, and it is an aviation museum where you can take your time and enjoy yourself for more than half a day.


Address: Ta'Qali ATD 4000, Malta

Phone: (+356) 2141-6095

Opening hours: 9:00 --17:00

Closed: Good Friday, Easter, August 15, Christmas, New Year's Day

Admission: Adults 7 euros (approx. 870 yen / as of December 2015), children 2 euros (3-12 years old)

Shooting conditions: The inside of the building is designed to take in natural light, and basically there is no need for a strobe, but there are some implicit parts in the Main Hunger.

Transportation: Municipal buses operate, but the number is small and it is desirable to rent a car. (30 minutes by car from Valletta city)

Bus route (reference): City bus / Bus Mater Dei 122 from Valletta, Bus 106 from Mater Dei to Ta Qali (transfer required)

Take the North Route on the city tour bus (free to get on and off) to reach your destination.


Next to the reception, there is a gift shop that you can enjoy at the Aviation Museum, and you can also find Royal Air Force-style souvenirs such as pin badges, hats, and original mugs.


◽️ Published Magazine: Monthly Aireview April 2016 / Sequireysha Ltd.

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