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easyJet & Royal Air Maroc, Marrakech Casablanca

日本から直行便がないアフリカ大陸に位置する国「モロッコ」。今月号ではそんなモロッコで最も人気な観光エリアである「マラケシュ」と「カサブランカ」に往路をパリからLCC(Low Cost Carrier)イージージェットでアクセスし、復路では、2020年4月にOne Worldに加盟したモロッコ航空でアムステルダムに帰着する周遊コースを飛んでみた。ポストコロナの旅、さて、どんな旅行ができるのか? 航空会社のサービスや現地事情も踏まえ、最新レポートをお届けしたい。


5ヶ月前が狙い目?

航空券を安く入手、旅の幅がグンッと広がる

今回の旅の計画は2022年の暮れに計画。 5月5日から3泊4日でモロッコのハイライトであるマラケシュ(2泊)とカサブランカ(1泊)を巡る旅であった。予約を開始したのは年が明けた1月7日であった。航空運賃はパリ-マラケシュ間1名€55、それに機内預け荷物とキャビン内荷物の持ち込みパック費用€49.99、最後にフロントローの足が伸ばせる座席事前予約(Extra Legroom)費用€2.5。計€107.49(日本円換算約15,586円)を支払えば「プレミア顧客」として、優先搭乗,そして機内持ち込み手荷物用のスペースも確保されているので、搭乗するために長い行列に並ぶ必要もなくストレスを感じることはない。

5月のパリ-マラケシュ線の運行は木・金・土・日日曜のフライトで金曜日のパリ出発のみが06:00、それ以外は15:55の出発であった。パリでの観光予定もあり、マラケシュ行きのフライトは金曜日となり朝06:00発の便を予約。

手荷物だけの旅行であれば8,000円前後でマラケシュまで連れて行ってくれるLCCの魅力は捨てがたい。復路のカサブランカ-アムステルダム間の片道航空券は、エコノミー席で€105(約15,225円)であり、1月時点での最安値であった。モロッコ航空はLCCではないので追加料金を払っての座席指定や、預け荷物の追加費用は規定内であれば発生しない。

イージージェットで往復航空券を購入しパリへ戻るより、同じ金額で航空券を購入できるのであれば異なる都市への訪問も旅の魅力であり、行動の幅も広がる。

しかし、パリ発のイージージェットは6時出発。寝坊した場合の安全面を考慮し、前日から宿泊先を市内からシャルル・ド・ゴール空港内ホテルへ移動。早朝4時からの搭乗手続きを迎える旅の始まりとなった。


EasyJet

簡単!専用アプリでスムーズな空港での手続き

イージージェットの搭乗手続きは、シャルル・ド・ゴール空港ターミナル2-Bの専用カウンターとなっているが、イージージェットアプリから事前に搭乗手続きを済ませておけば、機内預けの荷物の手続きだけを専用カウンターにて搭乗者自身で済ませる事ができる。手荷物のみの旅行者は、そのまま保安検査を受け、出国審査場への流れとなる。早朝の出発とあり検査係官の数は少ないものの出国審査場を通過したのは、空港到着から30分とスムーズに流れ、空港内のカフェにてクロワッサンとカフェ・オレの朝食を楽しみ、出発40分前には搭乗案内があり、EJU4663便は定刻の06:00に出発した。


世界最大の「迷宮都市」へ

パリ-モロッコで間のフライトは約3時間で、搭乗機EJU4663便はパリを離陸し、高度11,700mを時速920kmで順調に飛行。機内の飲食はすべて有料となっており、離陸後30分で1回目、到着1時間前で2回目の販売カートが回って来る。注文はアプリで事前に申し込みが可能だが、多くの乗客は機内に備え付けのメニューから注文をし、現金(€)かクレジットカード支払いで決済する。 当日のフライトは満席であったが、早朝出発のため乗客のほとんどは離陸前に就寝し、2回目の機内飲食販売は盛況であった。乗客は圧倒的にフランス人、スペイン人とイタリア人が数人乗っている。ちなみに日本人は私だけであった。また、機内のマスク着用組は家族連れ、年配夫婦などに限られており、1割に満たない着用率であった。客室乗務員についてはパイロットを含め6名の内、1名がマスク着用で勤務しており、羽田発のエールフランス機内と比べるとマスクの着用率は雲泥の差があり、世界はマスク無しに向かっていることを改めて実感した次第である。

天候は快晴で大きな揺れもなく順調に飛行し、定刻より15分早い08:00にマラケシュに到着。降機後は地上を歩き、入国審査を受けるターミナルビルへ移動、入国手続きを終え、機内荷物を引き取り、到着ロビーにて両替と携帯電話のSIMを購入(チャージ料込みで5日間€20)し、ホテルの出迎えの車で本日の宿泊ホテルへと向かった。


モロカンスタイルを満喫

マラケシュでは世界遺産となっている旧市街(メディナ)の繁華街、ジャマ・エル・フナ広場を散策。発熱するモロッコのエネルギーを終日感じながら、宿泊は古い邸宅を修復・改装したホテル「リヤド」でモロカンスタイルのインテリアを満喫。カサブランカへは約3時間の列車の旅を楽しみ、到着後は海に突き出したハッサン2世モスクの見学と市内散策を満喫した。


Royal Air Moroc

電子化への移行が急務

駆け足ではあるがモロッコの旅も満喫し、アムステルダム行きのフライトの確認をする。

手元のモロッコ航空e-チケットには、出発時刻の48時間前からオンラインチェックインが可能と記載されているが、手順に沿ってインターネット上で事前チェックインを試みるが、完了できず当日はムハンマド5世国際空港のロイヤルモロッコ搭乗手続きカウンターへ来るようなメッセージが届く。

実はこれ、国際線利用者にはよくあるケースで、Webチェックインに対応していない。モロッコ航空搭乗手続きカウンターで聞いたところ、「セキュリティー」のため….と言われ、プリントされた搭乗券を渡された。手荷物の保安検査が終了すると「Police」の確認印が押される仕組みとなっている。後ろに並んだモロッコ人に聞いても、例外なく全てこの手順で出国検査場へと導線となっているので、搭乗手続きに時間がかかり、空港に早く来なくてはならないので改善してほしいと言っていた。

空港での手続き作業は、全て人の手によって手続きが進むため、国際線搭乗の場合は「出発時刻の4時間前」がカウンター集合の時間となる旨のことがe-チケットにも小さく記載があった。


快適なフライトを満喫

搭乗機モロッコ航空AT850便は定刻の出発案内が表示され、出発時刻の30分前からビジネスクラス、子供連れの乗客を中心に搭乗が順次開始された。

機内入り口は、アフリカの大地を連想させるオレンジを配色した色彩に出迎えられ、離陸後は、右側にカサブランカ市内を遠目にしながら北大西洋上で旋回し、ポルトガル-スペイン-フランス上空を高度11,300、時速950kmで順調に飛行。離陸後1時間で昼食のサービスが始まり、ワインの提供があることに感激。モロッコの国教は、イスラム教、しかし厳格なサウジアラビアなどとは異なり、モロッコは比較的寛容なので機内でもアルコールサービスがあることが嬉しかった。

ベルギーのアントワープを過ぎたあたりから緩やかに降下を始め。オランダスキポール空港へ着陸するコースが取られた、定刻より10分遅れの16:50にスキポール空港に着陸した。


旅の終わりに

イージージェットとモロッコ航空という取り合わせで巡った今回の旅行。往路は安定感のあるエアバスA320、復路は信頼の翼であるB737-800。コロナ禍においても新機材の投入については積極的に取り組んできた航空会社である。

欧州に起点となるハブ空港を持ち、需要と供給のバランスを見極め「価格勝負」のできるイージージェットに対し、モロッコ国内とアフリカ諸国への路線を中心にビジネスを展開するモロッコ航空がコロナ以降の厳しい競争を勝ち抜くには、月並みだが新機材の投入による効率とエアラインサービスの特性・優位性をアピールしていくしかない。人々の航空会社に対する目も肥えてきている現在、中途半端な告知戦略では幹線路線のロードファクターを高い数値で維持することが難しくなってきている現実もある。

これからは益々航空会社としての「信頼性の向上」が大きなカギとなることは間違いないと感じた旅であった。


⬜️掲載誌:月刊エアライン 8月号/2023年 (イカロス出版)



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