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de Havilland Aircraft Museum, London Colney,United Kingdom

英国の航空機のパイオニアであり数々の名機を製作したSir Geoffrey de Havilland(サー・ジェフリー・デ・ハビランド)。 1911年にde Havilland Aircraft(デ・ハビランド・エアクラフト)社を創設し、小型自家用機時代の先駆けとして製作したDH60 Moth(モス)をはじめ大戦中はDH98 Mosquito(モスキート)高速偵察機の製作、戦後は世界最初のジェット輸送機DH-106 COMMET(コメット)を世の中に送り出した。後にde Havilland Aircraft(デ・ハビランド・エアクラフト)社はHawker Siddeley(ホーカー・シドレー)社を経てBritish Aero Space(ブリテッシュ・アエロスペース)社、さらにBAE社と変遷を重ね、また、子会社としてde Havilland Canada(デ・ハビランド・カナダ)社をカナダに設立した。 しかし、カナダ政府は1980年代にこの会社を国有化し、Boeing(ボーイング)社へ売却し、最後に開発されたDHC-8は現在でも「デ・ハビランド(DH)」の名を冠したまま生産を続けている。

今回は往年のデ・ハビランド社の航空機を集め、英国初の航空博物館として1959年5月15日に一般公開されたこの航空博物館に足を運び訪問した。


開館から9年が経過した1968年初頭から博物館の敷地も拡大され、展示機もVenom Night Fighter(ベノム ナイトファイター)とVampire Trainer(バンパイア トレイナー)などの軍用機が追加され1971年にはMosquito(モスキート)がリバプール・コーポレーションから寄贈された。その由縁で70年代に一時的であるがMosquito Aircraft Museum(モスキート航空博物館)と改名したが、1977年、博物館運営のためにデ・ハビランド航空博物館トラスト・リミテッドが設立され、現在の名前に戻った経緯がある。

デ・ハビランド社は戦後の大量輸送時代と海外植民地への航空輸送路の確保に備え、1943年以降チャーチル政権の下で旅客機案がまとめられた結果、「ジェット旅客機」という新ジャンルに挑むことになる。

COMET(コメット)試作機は1949年7月27日に世界初のジェット旅客機として初飛行に成功した。当時、アメリカでは巡航速度500km/h台のレシプロ機、ダグラスDC-7やロッキードコンストレーションに比べコメットの実用化は他の追従をさせない独走状態であり、1952年5月2日に英国海外航空(BOAC)が初の商用運行としてヒースローからヨハネスブルグ(途中、ローマ、カイロ、ハルツーム、エンテベ、リビングストン経由)間で実施され所要時間を半減させた。

その後も日本線、シンガポール線となどの長距離路線にも就航し、また植民地訪問にもコメットは頻繁に利用され英国航空業界の威信を内外に誇示した。

しかし、1954年以降2度にわたる乗員乗客全員死亡という空中分解による墜落事故を引き起こし、コメットは耐空証明を取り消され、全機が運行停止処分となった。

事故の徹底検証と改良と技術向上も伴い、コメットは10年という歳月をかけて再就航にこぎつけるが、1954年末にはボーイング707、その後就役したダグラスDC-8などがコメットの空白時代に順次就航を果たし、コメットはそのリード権を失い、1964年末に112機を持って生産を中止した。

館内ではボランテイアで整備に携わっているスタッフから、機体の説明や構造の解説に至るまで細かく解説してくれ、その機体の生い立ちや逸話話まで聞けることもこの博物館の魅力の一つでもある。 ロンドン市内からは小一時間でアクセス可能であり、英国の航空史を」学ぶ上で半日時間を作ってでも是非立ち寄って欲しい航空博物館である。


<インフォメーション>

de Havilland Aircraft Museum

London Colney,

United Kingdom


所在地 :Salisbury Hall

London Colney AL2 1BU

開館時間   :開館期 3月の第1日曜日から10月最後の日曜日まで

曜日 / 火曜、木曜、土曜、日曜日 10:30−17:00

          休館 / Bank Holiday (最終入場は16:00まで)

入場料 :大人10ユーロ / 子供6ユーロ(5歳-16歳) (2017年7月現在)


アクセス :    ロンドン市内キングスクロス(Kings Cross)駅から列車でポッターズバ-(Potters Bar)駅まで約15分 

          ポッターズバー駅からはタクシーで約8分程で博物館へ到着できる。

       (タクシー事務所の受付にて車を呼ぶシステム。流しのタクシーや日本のように駅前に常時停車していないので注意が必要)

         尚、タクシー代金片道8ポンド/帰りは博物館でタクシーを呼んでくれる。

       (注意)ポッターズバー(Potters Bar)駅からバス(約15分)で博物館近くまで行けるがバス停から10分程徒歩となる。 

          尚、日曜日はバスの運行は少ないので注意が必要。


◽️掲載誌:月刊エアライン 2017年11月号 / イカロス出版


<Information>

de Havilland Aircraft Museum

London Colney, United Kingdom


Location: Salisbury Hall

London Colney AL2 1BU

Opening hours: Opening period: From the first Sunday in March to the last Sunday in October

Day / Tuesday, Thursday, Saturday, Sunday 10: 30-17: 00

           Closed / Bank Holiday (Last admission is until 16:00)

Admission: Adults 10 euros / Children 6 euros (5-16 years old) (as of July 2017)

Access: Approximately 15 minutes by train from Kings Cross station in London to Potters Bar station

You can reach the museum in about 8 minutes by taxi from Potters Bar Station.

(A system that calls a car at the reception of a taxi office. Please note that it does not always stop in front of the station like a sink taxi or Japan)

In addition, the taxi price is £ 8 one way / on the way back, a taxi will be called at the museum.

(Caution) You can get to the museum by bus (about 15 minutes) from Potters Bar station, but it will be about 10 minutes on foot from the bus stop. Twice

Please note that there are few bus services on Sundays.


◽️ Published Magazine: Monthly Airline November 2017 / Ikaros Publications Co, Ltd.

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