Cold War Jets Collection, Bruntingthorpe Aerodrome Leicestershire, U.K.
英国の航空史上最も象徴的な軍用機体の数々を集めた博物館がレスターシャー州ブランティンソープの郊外にあります。そこには第二次世界大戦後の冷戦時代(Cold war)に開発された、ライトニング(English Electric Lightnings)F.6,バッカニア(Blackburn Buccaneer),ハンター(Hawker Hunter)T.7,ビクター(Vickers Victor)VC10など13種の航空機がコレクションされています。英国には数々の航空博物館が存在し特定の休館日を除いては一般公開などで訪問できることが多いですが、この博物館は毎週末の開館だけとなり日常(平日)の活動はほとんど見ることができません。しかし年に2回だけ、エンジンが起動できるコレクションの機体を展示し、フルスロットルで滑走路を駆け抜けていく光景を楽しむことができます。 この魅力溢れるユニークなオープンデーは5月27日(日)と8月26日(日)の2回開催され、希少な機体が滑走するのを一目見ようと英国国内、欧州から多くの観客が押し寄せました。
轟音とともに
主役はライトニング
1942年にウエリントン(Vickers Wellington) 爆撃機を中心とする第29運用訓練部隊が所属する旧英国空軍(RAF)の基地としてオープンしたブランティンソープ(Bruntingthorpe)にはトーイングされた「英国の兵」が滑走路に並べられました。
午前11時からオープニング滑走が始まり、まず登場したのがポーランドのジェット練習機Iskra,その後、ハンター、バッカニア、VC10,ビクター、ライトニングと17時までの6時間ノンストップで爆音を轟かせます。決して飛ぶことのない航空達ですが、機首を上げそうになると観客席からは大きな拍手が湧き起こり、真近でエンジン音が鳴り響き、フルスロットルで轟音と共に滑走するその雄姿に観客が魅了されます。 特に今年は英国空軍100周年を記念滑走としてコメット(Comet)が4基のロールスロイススペイエンジンを始動させ、観客の前を全力で滑走する雄姿大きな歓声が湧き上がるりました。観客と航空機がシンクロした瞬間を見ることができるのもこのイベントの魅力の一つであり、リピーターが多い所以であると感じます。
イベントのクライマックスではライトニング(English Electric Lightnings)のエンジンスタートからタキシングそして地上滑走まで、ノンストップで繰り広げられる演出に観衆の興奮は頂点に達しました。
Aircraft Collection - taxiable condition: • English Electric Lightnings F.6 (XR728) • English Electric Lightnings F.6 (XS904) • Handley Page Victor, (XM715) • BAe Nimrod (XV226) • Hawker Hunter T.7 (XL565) • Hunting Percival Jet Provost (XN542) • Hunting Percival Jet Provost (XN584) • Hunting Percival Jet Provost (XM365) • Hunting Percival Jet Provost (XP672) • Blackburn Buccaneer (XW544) • Blackburn Buccaneer (XX894) • Blackburn Buccaneer (XX900) • English Electric Canberra (WT333) • Vickers VC10 (ZD241) • Panavia Tornado (ZA326) • de Havilland Sea Vixen (XJ494) • Hawker Hunter GA.11 (WT806) • Lockheed F-104G Starfighter (22+35) • De Havilland Comet (XS235) • SEPECAT Jaguar T2 (XX145)
◽️掲載誌:月刊航空情報 2019年1月号 / せきれい社
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