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Beijing Air and Space Museum, Beijing China

1985年に航空機の格納庫を改装し、学生の実機勉強の為に博物館としてオープンしたが、建物の老朽化と保存機の腐食も進み、2012年12月に近代的な航空博物館として新たに開館した。

博物館の入口で旅券(パスポート)を提示し、荷物チェックを受けて館内へ。先ず目に飛び込んで来るのは、旧ロシアから貸与された航空機のエンジンの展示と解説である。1950年台から70年代にかけて開発されたエンジンとその構造を見学できるように断面化した展示物が多く残されている。ロールスロイスエンジンなども一部展示されているが、中国の近代化の歴史的背景から殆どが旧ソビエト製のエンジンである。航空機の展示は一番奥のコーナーにあり民間機、軍用機とも年代毎に展示されているので歴史的背景をイメージしながら見学できる。 一階部分が実機展示、二階部分は精密に作られた航空機の縮尺モデルを使った各航空機の説明がされており、見ているだけも楽しくなる。

館内にはイギリスで開発されたホーカーシドレーハリヤーが研究用の目的で輸入され、その実機が展示されているのも、この博物館での特典かもしれない。 実機の見学が終わると、ミサイルから始まり有人ロケット開発の足跡が展示されており、同じエリアには航空機の構造について実機の断面とパネルにて解説がされているコーナーがある。見学当日も学生数人が翼端構造の写真撮影をしていた。時間にして約2時間は見学にかかり、博物館出口前には定番のお土産を購入できるプロショップ(?)があので覗いてみたい。


北京1号

1950年代、北京航空研究所の設計で始まった国産機体の開発は1958年9月に当時の周恩来首相も参加して最初のテスト飛行が開始された。これが「北京1号」である。開発には北京航空航天大学の学生が中心となり、技術者、デザイナーなどが加わり、いわゆる「卒業制作」として一機のみが制作され、中華人民共和国建国9周年を記念して、中国民用航空局に引き渡された。北京1号は、全金属製の双発低翼単葉の機体であり、引き込み式の三点式着陸装置を装備していた。また、小さい空港からの離陸を容易にするために、STOL性能を重視し、最先端のスラットと後縁フラップを装備していた。

エンジンは、イフチェンコAI-14エンジンであり、プロペラは2枚刃の木製で、全長12.4メートル、翼幅16.4メートルで、毎時312キロの飛行速度であった。

塗装も当時のまま再現され、実機展示入口を飾っているのが誇らしげだ。


DC−3(ダコタ)

残念ながらフルサイズの展示ではなく、両翼端、エンジンが取られた状態の展示である。1940年代から50年代初頭、中国には軍用型のC-47が複数輸入された経緯がある。運用は物資の輸送であるが一部は高官輸送にも使われた。中国はDC-3をコピーした旧ソビエト製Lisunov Li-2が中国民航をはじめとして当時は多く使われていた。

DC-3の運用は中国の商業航空開発に大きく貢献した。一例として今では当然なサービスとして認識している「温かい機内食」の提供を開始したのもこのDC-3からである。


L−60(旅長)

中国で1953年に研究開発されてきたセミモノコック金属の高翼航空機で、悪路にも離発着可能な強力なランデイングギアも評判が高かった。 主な用途は農業と林業であったが、小型の機体で小回りが利き、医療や航空写真撮影にと用途は広がり、1960年初頭までに273機が生産され旧東ドイツやチェコスロバキア、ポーランド、ルーマニアなどに輸出された。

スポーツ、科学技術などの社会活動に活躍した機体でもあり、東ドイツに輸出された最後のL-60は1974年に引退した。


<インフォメーション>

北京航空航天博物館

Beijing Air and Space Museum

Beijing, China


所在地 :北京市海淀区学院路37号


開館時間   :09:00~16:30

         中国の祝日、新年、旧正月は休館

入場料 :無料(必ず旅券(パスポート)持参)

アクセス :北京市内(天安門広場)からタクシーで約30分、90-100元 (1元=19円 2015年6月現在)

       地下鉄10号線 西土城が最寄駅、駅を出て学院路を北に1km(約8分)位で大学の入口に到着。 守衛はいるが自動車の

入場をチェックしているので、そのまま構内へ進み入場門から200mは行った右側に博物館の入口が見える。


◽️掲載誌:月刊エアライン 2015年11月号 / イカロス出版


<Information>


Beijing Air and Space Museum

Beijing, China


Location: No. 37 Gakuin Road, Haidian District, Beijing


Opening hours: 09:00 to 16:30

China's national holiday, New Year, Chinese New Year Closed

Admission: Free (Always passport (passport) bring)

Access: about 30 minutes by taxi from Beijing (Tiananmen Square), 90-100 yuan

(1 yuan = 19 yen 2015 June)

Subway Line 10 Nishidojo is the nearest station, exit the station and head north on Gakuin Road for 1 km (about 8)

Arrived at the entrance of the university at the quantile). There is a guard, but check the entrance of the car.

Since it is, proceed to the premises as it is and 200 m from the entrance gate on the right side

You can see the entrance to the museum.


◽️ Published Magazine: Monthly Airline 2015 November / Ikaros Publications, Ltd

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