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B & B Friendship, Hoogerheide The Netherlands

オランダの画家、フィンセント・ファン・ゴッホが生まれ育った北ブラバント州は、ベルギーと国境を接し、自然保護区が多く、歴史が息づく町が点在している。

今回訪れたホーヘルへイデ(Hoogerheide)周辺は、オランダには珍しく「海抜」もあり、”De Branantse Wal(デ・ブラバンセ・ウォル)”と呼ばれるこの一帯は、ドゥ・ビースボス国立公園をはじめ、沼沢地、内陸の砂丘や広大な森林が広がる景観が美しい地域であり、オランダのサイクリストやハイカーの間では人気のあるエリアである。 今月号では、自然環境に恵まれたこの地で2003年からB&B (Bed and Breakfast)の宿泊を手掛けるご夫妻にインタビューする機会があった。ここのB&Bの目玉はF-27フレンドシップ旅客機を改装したラグジュアリーキャビンでの宿泊である。 

かつて60年代から70年代前半にかけて日本の空もフォッカーF-27フレンドシップが飛んでいた時期があった。 当時は、全日空が近距離、離島路線で運用し、全世界でF-27の最多保有航空会社でもあった。オランダ産航空機フォッカー F-27への想いや設立から今日に至るまでのエピソードとその魅力を紹介していきたい。


「夢」を設計し地元に貢献

このF-27フレンドシップの所有者であるエスター・スロートベッフ(Esther Slootweg/Ms.)とB&Bの経営者であるゲルハルト・ホルスティンク(Gerhard Horstink/Mr.)夫妻はもともとはヘルダーラント州アーネム(Arnhem)でワインの専門店を経営していた。ご主人のゲルハルトさんはオランダでは数少ないエノロジスト(*)の資格を持っており、もっと広い土地でおいしいワインを提供できる宿泊施設の経営を切望していた。 候補地選定では土地が安く手に入り、自然が豊かで豊富な食材があることが条件で、ここホーヘルへイデ(Hoogerheide)の土地に往き着き、2003年からB&Bドマーニ・オート・ブリュレ(Domaine Haute Bruyere)をオープンさせた。

まず、ゲルハルトさんはエノロジスト(*)の資格を活かしてミシュランの星を獲得したレストランが9軒も点在するこの北ブラバントの地で、ワインの卸元とソムリエの資格を取るための教室を開講し、若手の育成に尽力することになる。


(*)エノロジスト:ブドウ栽培から収穫、醸造、瓶詰めに至るまでの全生産工程を指揮し監督するスペシャリストのこと。


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インタビュー:


質問:なぜ、元々あった宿泊施設にF-27フレンドシップの宿泊施設を作ろうと思ったのですか?

主人は自家用の操縦資格を持っており、彼は小さい時からF-27が好きで、彼のアイデアでF-27のキャビンを改装して、宿泊施設にしようと計画をしました。すぐに手頃な機体が見つかるはずもないわけですが、この4km先にはウーンスドレヒト(

Woensdrecht)飛行場があり、そこにはフォッカー社のメンテンナス施設があります。そこからの情報で、元々は90年代にアビオドローム(Aviodrome)航空博物館に展示されていたF-27 PH-FCXが売りに出されていることが分かったのです。計画を立ててから既に12年が過ぎ、13年目に入ろうとした2015年12月30日に購入が決定しました。 それから約2年かけて改修し2017年10月から予約を開始した次第です。


質問:F-27の宿泊を開始してから、宿泊される方の形態は変わりましたか?

2003年のB&B開設当時から5部屋を運営してきましたが、通常はオランダ国内のお客様の宿泊が90%、そしてベルギーとの国境が近いのでベルギー(アントワープ)のお客様で10%くらいでした。F-27フレンドシップの施設をオープンして今年で3年が経過しましたが、口コミでそのユニークさが広がり、オランダ、ベルギー、ドイツ、フランスからの宿泊が増えたことです。また、誕生日、結婚記念日、就職、定年などを機に利用する方の宿泊が増えました。通常のお部屋よりはF-27の客室は高額なので、この土地の自然の豊かさを知っている方は、平日を通常のお部屋で宿泊(2泊以上)して週末をF-27に宿泊するお客様もいらっしゃいます。


質問:宿泊が多い国はどこですか?

もちろんトップはオランダ国内でのお客様です。その次がベルギーとドイツです。その理由はブランバント州の「自然豊かで食の宝庫」である知名度が、残念ながら隣接する国の方々に知れ渡っていないのが実情です。 2020年は3月からCOVID-19の感染拡大で6月まで予約を休止しましたが、7月以降は再開し、それ以降の予約率は月平均90%を超えており、週末のF-27に宿泊希望される予約は2021年4月まで一杯となっております。


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B&B Friendshipを取り囲む周辺には、ゴッホの作品や生涯を探索する楽しみや、ブレダなどの歴史が息づく都市、そして現代デザインの中心都市であるアイントホーフェンなど、北ブラバント州には見所がたくさんある。 また一方ではグルメの分野でも注目を集めているが、「楽しいこと好き」のオランダ人が暮らすこの州では、なんと言っても「親しみやすく心地よいひとときを過ごせる場所」であるということである。

2003年の創業以来、日本人の宿泊者はいなそうだ。 読者の皆様の中でどなたが「宿泊台帳」に日本人として最初に記載されるのかが楽しみである。



宿泊情報:

B & B Friendship

住所 : 28 Nijverheidstraat 4631 KS Hoogerheide 電話 : 0164 61 59 66 予約 :info@slapenineenvliegtuig.nl

宿泊料金 : ①月曜から木曜日の宿泊 €225

            ②金曜日の宿泊 €250

            ③土曜日の宿泊 €295

            ④日曜日の宿泊 €195

            **チェックイン 15:00、チェックアウト 12:00

上記宿泊料は、お2人様の1泊の料金です。宿泊料金には、朝食、コーヒー、紅茶、ビスケット入りホットチョコレートが含まれる。また、周辺の自然保護区散策用に自転車2台を無料で利用可能。

夕食は自転車で周辺のレストランに出かけてもよし、またチェックイン時にレセプションで依頼すれば、F-27のお部屋まで本格的なフレンチ料理の配達も可能とのこと。

**通常のお部屋:5室  1泊1部屋 €154から 2泊以上の宿泊から

(上記宿泊料は2020年10月現在にものです。必ずインターネットにて要事前確認)

**交通はアムステルダム市内からは車で1時間半、ベルギーのアントワープ市内からは約40分くらいの距離感である。


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Fokker F-27 Friendship / PH-FCXの変遷

1961年7月13日 製造番号807にてフォッカー社によって完成

1961年7月25日 初飛行に成功

1961年8月30日 Türk Hava Yollari (THY-Turkish Airlines) にデリバリー レジストレーション番号:TC-TEK

1972年10月26日 一度フォッカー社へ引き上げられる

1972年12月23日 再びTHYへTC-TEKのレジでリースされ、1973年9月17日まで運用され、その後保管される

1974年4月22日 トルコからフォッカー社スキポール空港の整備地区で保管

1975年1月16日 オランダの登録取得:PH-FCX

1975年1月24日 オランダ海軍転換用機材 (prototype)として利用される

1985年1月8日  航空機として退役し、保管される

1988年5月2日  F-27 Friendship Associationへ寄贈される

1988年5月6日  アヴィオドローム(Aviodrome)スキポール航空博物館似て展示機首名:Ir. Marius Beeling(**)

** Fokker社のデザイナー/コンストラクターで、1931年、フォッカーD.XVIIのデザインなどを手掛けた人物。

2006年7月18日  個人所有 PS Aero社にて購入

2016年12月30日  B&B Domaine Haute Bruyèreにて購入、現在に至る


◽️掲載誌:月刊エアライン 2021年3月号 / イカロス出版


Accommodation information


B & B Friendship

Address: 28 Nijverheidstraat 4631 KS Hoogerheide

Phone: 0164 61 59 66

Reservation: info@slapenineenvliegtuig.nl

Web sight : https://slapenineenvliegtuig.nl/

Accommodation fee: ① Accommodation from Monday to Thursday € 225

②Friday accommodation € 250

③ Saturday accommodation € 295

④ Sunday accommodation € 195

** Check-in 15:00, Check-out 12:00

The above room rates are for 2 people per night. Room rates include breakfast, coffee, tea and hot chocolate with biscuits. You can also use two bicycles free of charge for exploring the surrounding nature reserves.

For dinner, you can go to a nearby restaurant by bicycle, or if you request at the reception at check-in, you can deliver authentic French food to the F-27 room.

** Normal room: 5 rooms, 1 room per night, from € 154, from stays of 2 nights or more

(The above accommodation charges are as of October 2020. Please be sure to check in advance on the Internet)

** Transportation is about an hour and a half drive from Amsterdam and about 40 minutes from Antwerp, Belgium.

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