Musée DELTA Athis, Mons France
加速性、高速域での運動性に優れたデルタ翼(三角翼)の航空機だけを展示したデルタ博物館(Musée DELTA)はパリ・オルリー(Paris-Orly)空港に隣接している。
個人所有の博物館であるがデルタ翼の父と呼ばれ、後のコンコルド設計に影響を与えたフランスの航空技師ニコラス・ロラン・ぺイアン
(Nicolas Roland Payen/1914年-2004年没)が19歳の時(1933年)に設計したデルタ翼実験機PA-100(スケールモデル)がこの博物館に展示されていると聞き、足を運び訪問した。
パリ市内から約20km、Atis=Mons(アテイス=モンス)の地は1860年代には陸軍士官学校が設置され、1920年以降は飛行船の製造所が現オルリー空港の近くの高台に作られ、フランスの航空機の創設史を語る上で重要な場所であった。
このデルタ博物館の展示敷地は限られており、4機ほどの航空機が保存そして展示されており、その中で注目されるのはコンコルド(Concorde)102号機である。
コンコルド(Concorde)は1969年3月2日に初飛行し2003年11月26日引退まで20機が生産(内6機は試作・生産前試験機)されたが、ここに展示されている102号機F-WTSAは、1973年1月10日に初飛行した生産前試験機(Pre-Production Aircraft)である。トゥールーズでロールアウトした102号機は同年9月20日からコンコルドとして米国(ダラス、テキサス)へ初フライトを実施した機体であった。機内の見学は自由にでき、丁寧に修復・保存された機内と共にコックピット内も見学ができ、一部欠損した計器類の修復も現在行われている。
事務所兼資料館にはニコラス・ロラン・ペイアンのデザイン部屋が当時の装いで再現され、彼がデザインし1954年に初飛行したPayen PA-49/F-WGVA(実機はル・ブルージェ航空宇宙博物館に展示)のデザイン図面など展示され、彼の愛娘(フランソワーズ・ペイアン/館長)が当時のエピソードを踏まえ開発に携わる興味深い話をしてくれるのもこの博物館の魅力である。
また、小さいながらショップも併用されており、オリジナルの帽子や模型などが販売されている。
見学だけであれば1時間あれば十分であるが、館内ならびに航空機の説明(英語可能)を聞くのであれば2時間は予定されると良いであろう。 オルリー空港で写真撮影の後にでも立ち寄ってみては如何であろうか。
<インフォメーション>
Musée DELTA
Athis = Mons,France
所在地 : 40 Avenue Jean-Pierre Bénard, 91200 Athis-Mons, France
電話番号 :+33-(0)1-6938-8338
Web sight :www.museedelta.free.fr
開館時間 : 毎週水曜日と土曜日のみ 14:00−18:00 閉館一時間前から入場できないので注意が必要
入場料 :大人3ユーロ
子供1ユーロ(5歳以上12歳未満) (2017年3月現在)
アクセス :パリ・オルリー(Paris-Orly)空港南ターミナル(Aeroport d’Orly)ら路面電車(約4分)にてPorte de I’Essonne下車、徒歩2 分で到着する。
◽️掲載誌:月刊エアライン 2018年4月号 / イカロス出版
Musée DELTA
Athis = Mons,France
Location : 40 Avenue Jean-Pierre Bénard, 91200 Athis-Mons, France
Phone number :+33-(0)1-6938-8338
Web sight :www.museedelta.free.fr
Opening hours: Every Wednesday and Saturday only 14: 00-18: 00 Please note that you cannot enter the museum one hour before closing.
Admission: 3 euros for adults
1 euro for children (5 to 12 years old) (as of March 2017)
Access: Take the tram (about 4 minutes) from Paris-Orly Airport South Terminal (Aeroport d'Orly), get off at Porte de I'Essonne, and walk 2 arrive in minutes.
◽️ Published Magazine: Monthly Airline April 2018 / Ikaros Publications Co., Ltd.
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