Air Force CenterFlieger Flab Museum, Dübendorf Swiss

チューリッヒ中央駅から東方8kmという近郊に位置し、列車に乗車し20分でアクセス可能なデューベンドルフ(Dübendorf)駅で下車。駅からは標識に沿って歩くこと15分でデューベンドルフ(空港)基地の一角にあるスイス空軍博物館に到着する。 チューリッヒ空港からでも乗り換えを含めて40分以内でアクセスできる立地環境は日本の実情を考えると羨ましい限りである。

ここデューベンドルフ(Dübendorf)基地の歴史は古く、軍用基地としての開設は1909年であり、その後スイス陸軍航空隊の「第3航空基地」となり、過去の大戦中は戦闘要撃機部隊の基地として運用されていた。 現在は防空指揮所や軍民航空機の航空管制所が置かれ、第3航空輸送部隊(輸送ヘリコプター アルーエトIII/AS 332M-1/AS 532ULが配備)が配備されている。

基地の一角に併設されているスイス空軍博物館の正式名は、Air Force Center Flieger Flab Museumと言われ、航空機の展示館は2つの大きなハンガーで構成されている。 併設されているレストランや航空関連グッズを扱うプロショップも充実しており、週末は子供連れの見学者で賑わう。 尚、ユンカースJu52をヴィンテージフライトとして運行しているJU AIRは、昨年の墜落事故を受けて飛行を中止している。原因究明と改善策を講じていただき、2020年春の再開に期待を寄せている。

完成度の高い航空機の展示


この航空博物館の開館は今から41年前の1978年。1972年より空軍博物館設立のための財団が立ち上がり、6年という歳月を費やしスイスの航空史に残る航空機を中心に(第一次、第二次世界大戦で活躍した機体)選定し、修復・修繕を行い、また、冷戦時代に開発・活躍したジェット機を保管し、高度な技術をもって修繕を繰り返してきた航空機がこの航空博物館に展示されている。


希少価値の航空機が展示


メインハンガー内には、スイス国旗のマーキングしたP51ムスタングをはじめとしてMesserschmitt(メッサーシュミット)Bf108タイフーン低翼単発機、そしてBf109戦闘機が展示されている。 このBf108タイフーンは第4回国際旅行競技に参加するために6機の注文が発端となって製作が開始され、1934年に初飛行している。ドイツ国内での生産は1942年までおこなわれ、少数機がハンガリー、日本、ソ連、スイスなどに輸出された。1942年以降はドイツに占領されたパリ近郊のSNCAN(Société Nationale de Constructions Aéronautiques du Nord) 工場に生産拠点が移され、連合軍がフランスを解放するまで生産が続けられた長寿の機体であった。

また、スイスらしい木造建築の展示館では1943年に初飛行した双胴ジェット戦闘機、De Havilland Vampire DH.100(デ・ハビランド・ヴァンパイア)と中央胴体後部に着艦フックを装備した全天候艦上戦闘機De Havilland Venom DH-112(デ・ハビランド・シーヴェノブ)を見学することができる。

ご存知の通り、ヴァンパイア戦闘機は世界でベストセラーとなり日本の航空自衛隊も1956年に国産ジェット練習機T-1(富士重工)の技術研究用として1機を輸入し、現在は浜松のエアーパークに展示されている。

また、年代別に第三世代の戦闘機であるDassault Mirage lllS(ダッソー・ミラージュ)やNorthrop(ノースロップ)F-5Eなども複数展示されている。


冷戦時代の産物 


第二次世界大戦後、スイス空軍はVenom(ヴェノブ)とVampire(ヴァンパイア)戦闘機を運用し、1960年代にはHawker Hunter(ホーカーハンター)を運用した。 当時、スイス空軍は戦後、英国製の航空機に戦術性を含め高い期待をしていたが、山岳地形の特殊性もあり、運動性の向上を目指した自国産戦闘機の開発の声も高くなった。この航空博物館では「冷戦時代の産物」としてスイス製戦闘機のプロトタイプが展示されているので紹介しておきたい。

先ず紹介するのは、スイス初のジェット戦闘機である、EFW N-20 “Aiguillon”。4発ターボフアンエンジンを装備した後退翼機であり、1952年4月8日にタキシングテスト中に短時間だけ飛行に成功している。しかし当初搭載予定であったスイス企業のズルツアーで設計・製造される予定であったがエンジンの計画が中断され、結果、英国で開発されたアームストロング・シドレー・マンバのエンジンを装着したが非力で十分な推進力を発生することができず、N−20の機体の開発は途中でキャンセルされ試作型1機という謎の機体となった。


試行錯誤の国産戦闘機


次に紹介する機体は1950年代にスイスで試作された地上攻撃用途のジェット機、FFA P-16である。この機体はEFW-20以降スイスで開発する2回目(リベンジ)のジェット戦闘機であった。

P-16はそれまで運用してきたプロペラ攻撃機の代替機と近接支援を目的として開発され、不整地での運用を可能にするために複列の主輪を備えた機体であった。

1955年4月25日に初飛行に成功し、1958年8月15日に2号機が音速を突破した。試験飛行も順調に推移し、1958年にはスイス政府から100機の契約が結ばれたが、その後試作機が事故で失われると契約は白紙となり、スイス空軍は英国製のHawker Hunter(ホーカー・ハンター)の購入を決定した。

その後もP−16の開発は独自で行われ、2機の製造を成し遂げたがスイス空軍と契約はできなかった。しかし長年に渡り開発してきた主翼の設計はその後にアメリカのビジネスジェット機リアジェットに採用された事は有名であり、現存する1機がここスイス空軍博物館(Air Force Center)に展示されている。 

今回すべての展示機の紹介はできないが、この航空博物館でしか見学できない航空機もあり、一度機会を作って足を運んでいただきたい。


訪問のための一般情報


スイス空軍博物館

Air Force Center

Flieger-Flab-Museum

Dübendorf, Swiss


所在地 :Überlandstrasse 255 CH – 8600 Dübendorf

電話番号 :+41 (0)58 460 23 24

URL :http://www.airforcecenter.ch

E-mail : info@airforcecenter.ch

開館時間 :火曜日-金曜日 13:30−17:00

        土曜日 09:00−17:00

  日曜日 13:00−17:00

        休館日:月曜日、12月24-25日、1月1日

入場料 :大人 15 スイスフラン 子供 6スイスフラン  【16歳まで】


アクセス :チューリッヒ中央駅からデューベンドルフ駅までは列車で約15分、デューベンドルフ駅からは徒歩で約10分

列車料金  :チューリッヒ中央駅から片道 6スイスフラン (2019年4月現在)


◽️掲載誌: 月刊航空情報 2019年9月号 / せきれい社


Air Force Center

Flieger-Flab-Museum

Dübendorf, Switzerland


Location: Überlandstrasse 255 CH – 8600 Dübendorf

Phone number: +41 (0) 58 460 23 24

URL: http://www.airforcecenter.ch

E-mail: info@airforcecenter.ch

Opening Hours: Tuesday-Friday 13: 30-17: 00

Saturday 09: 00-17: 00

Sunday 13: 00-17: 00

Closed days: Monday, December 24-25, January 1

Admission: Adults 15 Swiss francs Children 6 Swiss francs [up to 16 years old]


Access: Approximately 15 minutes by train from Zurich Central Station to Dübendorf Station, 10 minutes on foot from Dübendorf Station

Train fare: 6 Swiss francs one way from Zurich Central Station (as of April 2019)

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