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Aeronauticum, Nordholz Germany

Aeronauticum

Deutsche Luftschiff und Marinefliegermuseum Nordholz e.V.

(ドイツ飛行船 & 海軍航空博物館)


北ドイツの有名な観光スポットであるクックスハーフェンから12キロのところに、ドイツ海軍航空司令部(Marinefliegerkommando)の本拠地ノルトホルツ海軍空軍基地(Fliegerhorst Nordholz)がある。その基地のメインゲートに隣接した敷地には、1997年5月6日に開館したドイツ海軍公式の航空博物館Aeronauticum(アエロノーティクム)があり、自由に見学することができる。今月号では、ドイツ国内でも珍しいドイツ海軍で使用された航空機を中心にその希少なレクションを紹介していく。


北海防衛の基地

ニーダーザクセン州のノルトホルツの小さな村は、ドイツでも古い飛行場の1つに数えられる。「ヴルシュターハイデ」と呼ばれるこの地域での最初の飛行活動は1912年に報告されており、その後まもなくこの場所はドイツ軍当局の注目を集めることとなる。その理由は、この場所は遠浅の海岸線が綱なり、軍艦による沖合からの攻撃が困難であることが、当時の軍令部の考えでは防衛上有利な条件であったことにある。

第一次世界大戦が始まる1914年、1800万マルク(現代の2兆円規模相当)以上の投資で、800ヘクタールの巨大な航空基地がノルトホルツに建設された。最初のツェッペリン飛行船LZ 24 / L 3 はその年の9月に到着し、北海上空での偵察任務を24回実施したあと、1915年1月19日に初めてイングランド空襲に参加するなどの功績を果たすこととなり、以来、ノルトホルツはドイツ帝国海軍の主要基地となる。

しかし敗戦後、ヴェルサイユ条約の規定に従い、ノルトホルツにあった6つのツェッペリン製造の飛行船は、1919年6月23日に破壊された。

1938年に始まる第二次世界大戦では、ドイツの再軍備もあり、ドイツ空軍の近代化された基地が新設され、航空作戦上北海で最も重要な軍用飛行場の1つとなった。 この基地は、北海近郊の連合軍を撃退する名実ともにドイツ空軍の本拠地であり、大戦の最後の数か月には、Me163B「コメット」ロケット推進戦闘機が配置されていた基地の1つでもあった。

第二次世界大戦後は英国空軍の管理下となったが、1956年に新生ドイツ海軍航空隊が誕生したこともあり、1959年より海軍空軍基地としての再建設が始まり、1963年に最初の滑走路がオープン、1965年以降第3海軍航空団(グラーフツエッペリン)と民間による共有飛行場として現在に至っている。


希少な展示物

コロナ以前は、年間3万人の来館者が訪れるアエロノーティクム。入館口からメインホールに広がる飛行船の展示では、その歴史的および技術的発展について学ぶことができる。1991年当時この博物館は、海軍飛行船博物館ノルトホルツ(Marine-Luftschiff-Museum Nordholz)という名前で運営され、飛行船や海上航空機の展示だけであった。今日では、常設展示「Flying Lighter Than Air」のコーナーで飛行船の構造についても詳細に解説がされており、1910年代初頭の基地のジオラマ、写真や文献により、シュッテ=ランツ (Schütte-Lanz)型の硬式飛行船のレプリカや第一次世界大戦時のノルトホルツ海軍飛行船場の係留フィールドなどが精巧なジオラマで再現されている。             

また、36,000㎡の屋外展示エリアには、1956年以降に東西ドイツで使用された18機におよぶ魅力的な航空機が展示されており、博物館の敷地の端にあるホールには、かつての大型巡洋艦プリンツ・オイゲンの搭載機であるアラドAr196の一部が展示されている。この機体の復元にあたっては2016年6月に「Förderverein Arado196eV(アラド196eVと友達)」の設立によって進められ、水曜日の午前11時30分またはグループの場合は事前の予約により見学が可能となっている。

旧西ドイツの海軍航空機のコレクションでは、英国製対潜哨戒機フェアリーガネットAS4、小型輸送機パーシヴァルP.66ペンブロークC54、艦上戦闘機シーホークMk.100、捜索救難ヘリコプターブリストルシカモアMk.52、フランス製対潜哨戒機ブレゲBr.1150アトランティック、ジェット練習機フーガCM170マジスター、西ドイツ製多用途機ドルニエDo 28D – 2OUおよびDo-28D-2、2機のパナビアトーネード戦闘攻撃機や米国製ロッキードF-104Gスターファイター、ベルUH-1Dヒューイヘリコプターなど順路に従って見学が可能である。さらに、1970年代にドイツで開発されたツインエンジンジェット旅客機であるVFW-Fokker614という非常に興味深い飛行機も含まれている。シリアル番号G18のこの航空機は、D-AXDB市民登録を行っていますが、以前はドイツ空軍によって17 +02として運用されていた機体である。

旧東ドイツ人民海軍の航空機では、スホーイSu-22M-4Kとともに、ミルMi-8TBおよびMi-8PSヘリコプターなどが展示されている。

この他、この博物館では、ガイド付きツアー(独語)、航空祭のイベントやVFW-614での結婚式など季節によっていくつかのユニークなアクティビティが提供されている。2021年以降に始まった新型コロナの感染拡大で、現在、アクティビティは実施されていないが、プロショップ内での魅力的なお土産を探すことができる。ドイツ海軍のパッチや写真集、T-シャツ、飛行船模型なども人気があり、また館内のカフェで簡単な食事も取ることが出来、数あるドイツの航空博物館においてドイツの海軍で運用された機体を一堂に見学出来る航空博物館は珍しく、一度訪れてほしい博物館である。


訪問のための一般情報


Aeronauticum

Deutsche Luftschiff und Marinefliegermuseum Nordholz e.V.

(“アエロノーティクム”ドイツ飛行船 & 海軍航空博物館)


住所:Peter-Strasser-Platz 3, 27639 Wurster Nordseeküste,Germany

Web sight: https://aeronauticum.de/ **ドイツ語のみ

開館時間: 3月15日から10月31日/毎日午前10時30分から午後5時30分

11月1日から3月14日/毎日午前10時30分から午後4時 **12月24日と31日は休館

入場料: 大人(18歳以上) €12.00

      子供(6歳以上)  €6.00 (2022年1月現在)

交通 :電車の場合: 鉄道線クックスハーフェン-ブレーマーハーフェン            駅「ノルドホルツ」博物館まで徒歩15分


◻️掲載誌:月刊航空情報 4月号/2022年/セキレイ社


General Information for Visit


Aeronauticum

Deutsche Luftschiff und Marinefliegermuseum Nordholz e.V.


Address: Peter-Strasser-Platz 3, 27639 Wurster Nordseeküste,Germany

Tel: +49 4741 18190

Web sight: https://aeronauticum.de/ **German only

Opening hours: 15 March to 31 October / 10.30 am to 5.30 pm daily

1 Nov-14 Mar / 10.30am-4pm daily **Closed 24 Dec and 31 Dec

Admission: adults (18+) €12.00

      Children (6 years and over) €6.00 (as of Jan 2022)

Transport : By train: Railway line Cuxhaven-Blemerhaven Train station 'Nordholz' 15-minute walk to the museum.


◻️Published in: Aireview, April/2022/ Sequirey S.A.



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